情報提供元:岡谷電機産業株式会社
「 ノイズ 」=「必要の無い信号」、望ましくない信号は何でも「 ノイズ 」と呼ばれています。
電源ラインノイズ(以下ノイズとする)とは、一般的に商用電源周波数(50Hz、60Hz)において、
規定の周波数以外(高周波成分)のものを指します。
電源ラインを対策することで、電子機器がノイズを放出し、
他の機器の誤動作を引き起こすことを防ぎ、また他の機器からのノイズで自らが誤動作することも防ぎます。
このような対策を考えることをEMC(Electromagnetic Compatibility=電磁適合性)と言います。
[ EMCイメージ図 ] |
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ノイズの伝わり方には、2種類あります。
これらのノイズの伝わり方を、電子機器を中心に説明すると下記の図のようになります。
[ 輻射ノイズと伝導ノイズ ]
電源ライン用 ノイズフィルタは別名、ノイズフィルター、ラインフィルタ、EMIフィルタとも呼ばれています。
電源ラインを伝わる伝導ノイズには、「スイッチングノイズ」「雷サージノイズ」等ありますが、
電源ラインノイズフィルタ(以下ノイズフィルター)は、
一般的には高周波ノイズである「スイッチングノイズ」の除去を目的としています。
[ ノイズフィルタの効力 ]
伝導ノイズは2種類に分けられます。
[ 伝導ノイズの伝わり方 ]
ノイズフィルターは基本的に、コンデンサとコイルが使用されています。
高周波に対するコンデンサのインピーダンスの低さと、コイルの高さの組み合わせにより、電源ラインに
商用電源周波数(50/60Hz)を通し、高周波分を除去するローパスフィルタ(LPF)を構成しています。
[ ノイズフィルターの回路構成例 ] |
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Xコンデンサは、主としてノーマルモードノイズを減衰させ、Yコンデンサは、主としてコモンモードノイズを減衰させます。
ノイズフィルターによる仕様上の減衰特性を静特性と言います。
[ ノイズフィルターの静特性 ] |
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減衰量(挿入損失)は、測定系インピーダンスを50Ωとし、
信号発生器(S.G)からの高周波をノイズフィルターに通し、その出力電圧値をレベルメータ(L.M)で読みます。
尚、実機での雑音端子電圧測定は、
動特性の評価となりますので、静特性の評価はあくまでも参考値となります。